Ariana King

NewYork

Profile

アリアナ•キングは、米国とアジアの政治的関係やアジアの文化を地元ニューヨークで発信している記者。フルタイムで働いている時以外、彼女は東方の西洋的な認識を再定義しようとする、アジアのクリエイティブを特集した注目の書籍シリーズ:「FAR-NEAR」の編集者をしています。趣味はニューヨークの様々な食べ物や文化の探求。パソコンとご飯に向かっている時間の合間には、いつも次の食事を計画しています。

カリー・イン・ア・ハリー

2018.08.03 6 years ago

流行を追ってばかりいるニューヨークで、レストランがオープンとクローズを繰り返している。ただ、このような状況でも、よく耐えられるレストランはそういうトレンドに左右されないレストランだ。

 

カリー・イン・ア・ハリーはまさにそんなレストランである。

 

 

このエリアがどんなに変わっても、カリー・イン・ア・ハリーはまだまだ古いニューヨークの雰囲気を守っている。レストランがオープンした1976年に制作された、マーティン・スコセッシ監督の「タクシードライバー」という映画で描かれたニューヨークだ。クローナッツやブランチが楽しめるようなニューヨークじゃなく、ちょっと荒い、粗野な街だ。でも、そんなところがアピールになっている。

 

 

レストランの中には地元の人と現実のタクシードライバーが集まっていて、インドのカフェテリアみたいな感じだ。レストランの名前の通り、カリーを早く、”イン・ア・ハリー(お待たせしない)”に食べて帰るような場所である。

 

2階のダイニングエリアの窓から、タクシーがレクシントンアベニューに沿って並んでいるのが見える。ドライバーは休憩中にレストランの前に駐車する。こんな所で観光客を目にするのは非常に珍しいが、レストランの壁には、古い新聞や雑誌のレビューがあっちこっちに貼ってある。日本語のレビューまである。昔は観光客に人気があったのかもしれない。

 

ダイニングエリアには家族連れから、お一人様のワーカーまでふわふわしたナーンをカレーソースに浸している。ボリウッドの曲が奥のスクリーンから聞こえてくる。

 

 

もの凄く急いでいる”イン・ア・ハリー”客は、一階でお持ち帰りカレーを注文できる。大きいカレー鍋と他の料理から立つ湯気が、ガラスの反対側に見える。インドのカラフルなスイーツカウンターを除けば、レストランは普通のファストフードレストランのように見える。

 

 

メニューには、サモサやマリガトーニスープ(英国風カレースープ)などのアペタイザーから、キーマカレーやら肉カレーやらカリフラワーカレーまである。おすすめはBセット(コンビネーション・プラッターB)で、ニューヨーク一のチキンティッカマサラに、好きな野菜カレーが付く。ほうれん草とチーズのサグパニールが美味しい。辛いものが好きな人でもヴィンダルー(地獄の辛さの肉カレー)には注意。耐えられない辛さは、ミルク入りのチャイかマンゴーラッシーで癒すといい。

 

 

レストランの名前は「カリー・イン・ア・ハリー」だが、もう少し長居したくなるかもしれない。

 

http://www.greenpointfish.com/

119 Lexington Ave, New York, NY 10016

212.683.0900

OPEN 10:00-25:00(年中無休)

グリーンポイント・フィッシュ・アンド・ロブスター

2018.06.28 6 years ago

微かな海の匂いがグリーンポイント・フィッシュ・アンド・ロブスターにお客さんを引き込んでいる。ブルックリンの北、グリーンポイントのナッソー駅から徒歩3分のところにある、魚屋が入っているシーフードレストランである。

 

 

こぢんまりとしたレストランの中には、シーフードを愛する客しかいない。5つのハイトップテーブルが白いタイルの壁に沿って並んでいる。テーブルの上だけ、天井がウッドで、それがアクセントになっている。カウンター席もあり、そこからは生牡蠣の殻を外したり、魚を焼いたりするのが見える。

 

 

料理の種類は少ない。メニューには、タコス、サンドイッチ、サラダなどが並ぶ。他のレストランと違うのは、必ず新鮮な魚が使われること。しかも、その魚はサステイナブルでなければならない。ということで、人気のあるサーモン、マグロ、鱈などはほとんど料理に使われない。数が減っている「アンサステイナブルな」魚は使わないのだ。代わりに、漁業者やシーフードオタクしか知らないようなブルーフィッシュや、カサゴなどの外来種が使われる。

 

 

このレストランのコンセプトは、持続可能性の追求だ。そのため、食材、つまり魚が季節や海の”気まぐれ”で変わる。例えば、今週のメニューはヘイク・フィッシュ・アンド・チップスでも、次の週にはあんこうのフィッシュ・アンド・チップスになっているかもしれない。日替わりでクルード(カルパッチョのような生魚)、タコス、パテ、サンドイッチ、サラダや丼ものの食材が変わる。

 

確実な美味しさを求めるなら、ロブスター・ロールがおすすめだ。バター風味のふんわりしたパンの中には、ジューシーなロブスターの肉がゴロゴロ入っている。オイスターバーにも工夫がある。席ごとに、その日の牡蠣のチェックリストが置いてあるのだ。この日は、ほのかに甘みのある薄切りの生帆立が、レモン・スライスを添えられて殻に載って出てきた。秋と冬にはメイン州の生ウニが販売されることもあるそうだ。

 

 

レストランをサポートしているスタッフもみんな魚オタクで、魚の質問をされると張り切って答えてくれる。スタッフから料理の質まで、グリーンポイント・フィッシュ・アンド・ロブスターはとてもレベルが高い。

 

細かいところにも手を抜かないという姿勢はデザートメニューにも表れている。メニューのチョイスは一つだけ。リッチでもすっきりするキー・ライム・パイである。「これだけでいいんだ」とスタッフが言った。このパイはクリーミーなベースから酸味が効いたライムの風味が出ていて、非常にバランスが良い〆になった。魚専門店だが、最大の特徴はやりすぎないところだろう。

 

 

http://www.greenpointfish.com/

114 Nassau Ave Brooklyn, NY 11222 543 48th Ave Long Island City, NY 11101

*Seafood Market & Raw Bar* 718.349.0400

*Seafood Market* 718.472.2040

OPEN 11:00-22:00 (月, 火, 水, 木, 日) 11:00-23:00 (金, 土)

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アメリカ発エマージングデザイナー、Eckhaus Latta (エクハウス•ラッタ)が、ニューヨークのホイットニー美術館で8月3日(金)より個展を開催。「アート展」として彼らのグッズが購入出来る、ファッション史にもアート史にも前例のない個展となる。ミレニアル世代が生んだ、新しい形のアートビジネスを成立させている形として、世間に話題を生んでいる。期間は2018年10月8日(月)まで。

Eckhaus Latta: Possessed

入場無料

 

99 Gansevoort St, New York, NY 10014

森川拓野「ターク」(TAAKK)デザイナーは、ニューヨーク ファッション・ウィーク内で行われた合同イベント「New York Men’s Day」でプレゼンテーションを敢行した。同デザイナーがNYでプレゼンを行うのは初めて。大判チェックや迷彩など力強いパターンを随所に盛り込み、ストリート感溢れるルックを構成している。テーマは「BASIC ODDITY」。通常はメンズウエアを軸に展開しているが、ウィメンズのモデルをミックスし、よりフラットな演出になった。また、18年春夏シーズンにはクアラルンプール(マレーシア)でファッションショーを行うなど、海外での訴求を強化している。