Fashion
City : Galicia (Spain)
Designer : Rosario Froján + Alfredo Olmedo
スペイン出身の Rosario Froján (ロサリオ・フロハン)と Alfredo Olmedo (アルフレド・オルメド)。
ロサリオはミラノでファッションを学んだ後、家族が経営するテキスタイル工場に戻り、D-dueを立ち上げた。
2004年秋冬コレクションからアルフレドが参加し、以来、二人三脚でデザインを続けている。
2018AW
始まりはひと吹きのスプレーから
スペインの男性たちがアメリカへ進出していった1920年代ごろから、女性が縫製業で国を支えた歴史的な背景を持ち、高い技術をもったテーラーの職人達を育てたのが大西洋に面したガリシア地方の小さな街だ。この地で、1960年代にデザイナーのロサリオ・フロハン(通称チャロ)の両親が立ち上げたドレスメーカーのインブランドとして、その高い技術力を世に広めるため、1990年代に D-due (デ・ドゥエ) が立ち上げられた。
当時ブランドを作るうえでパートナーを探していたチャロは、画家であり、グラフィックの仕事もしていたアルフレド・オルメドと運命的な出会いを果たす。 チャロに「ここにスプレーして!」と言われ、アルフレドが目の前のスカートにスプレーペイントをしたことがきっかけとなり、今の「布に直接絵を描く」ことに代表される、1点物のアートとしての価値をもった D-due の洋服のアイデンティティが確立する。
双子のようなライン 「D-due」と「D-due LAB」
現在ブランドはD-dueという名を冠に、若手も含めたクリエイティブチームが関心を寄せるアート、文学、グラフィックデザイン、建築、映画などの様々なものごとや、そのバックグラウンドを元にしたコンセプトで作られる「D-due」とアルフレドが描いた絵本を元に、そこに描かれた物語や世界観を表現する「D-due LAB(ラブ)」支えあう双子の姉妹のような2つのラインで構成されている。
毎シーズン、コンセプトやモチーフを変えて独自の世界観を表現し続ける D-due だが、 コンセプチュアルアー トのようにその内容を読み解いていくと1つ のテーマがしっかりと その中に組み込まれて いて、まさに「ダブルミーニング」や「二つの方向から」という意味を持つ、D-dueの名前の由来にもなっている、 「人と人、人と自然、人とものが影響しあい、より進化した形になるのではないか」という他者に対する深い敬意と愛を持った考えに繋がっている。
今シーズンの秋冬コレクションで「D-due」はイタリアの画家ジョルジオ・モランディを 、 「D-due LAB」ではデザイナーの二人が訪れたモランディの原点であるボローニャ地方のトラベルノートを元にして作られており、デザイナー自身の住むガリシアの背景を色濃く投影したものづくりをしているD-dueと、同じように自らの住むボローニャのありふれた日常の静物画を描き続けたモランディを対比させた内容となっており、二つのラインが共鳴しあう様子は、まさにベースとなる土地によってはぐくまれる彼らのクリエーションを示唆するかのような非常にコンセプチャルな作品に仕上がった。
D-dueの洋服の素晴らしさは、老舗ドレスメーカーの誇るテーラードの技術とヨーロッパ各地から集められた生地を使用した非常に高い品質、 そこにコンセプチュアルで興味深いアート性が存在することだと思う。ぜひ、その奥深いクリエイションを皆様に体感していただきたい。
2018.08.15 6 years ago
アメリカ発エマージングデザイナー、Eckhaus Latta (エクハウス•ラッタ)が、ニューヨークのホイットニー美術館で8月3日(金)より個展を開催。「アート展」として彼らのグッズが購入出来る、ファッション史にもアート史にも前例のない個展となる。ミレニアル世代が生んだ、新しい形のアートビジネスを成立させている形として、世間に話題を生んでいる。期間は2018年10月8日(月)まで。
Eckhaus Latta: Possessed
入場無料
99 Gansevoort St, New York, NY 10014
森川拓野「ターク」デザイナーが、ニューヨークでプレゼンテーションを開催
2018.02.09 7 years ago